| 町田泰子氏は名栗地区にまつわる伝説を一冊の小冊子にまとめられました。昭和55年頃から数年にわたり取材をされたそうです。この山村に息づく伝説「妻坂峠の野ざらし地蔵様」をご紹介します。 |
| ■妻坂峠の野ざらし地蔵様 妻坂峠の頂上につつましやかに建っているお地蔵様。汗して登りついた時、ホッとする人たちに笑いかけてくる地蔵様。こんな高い頂上に、どうして建てられたのでしょう。 昔、妻坂峠は秩父への近道で人通りも多かったのです。しかし山の中ですから、山犬とか狼がでて、通る人をかみ殺したりしました。せっかく登りついた人たちが、かみ殺されますので、たいへん無残なことで憐れなことでありました。 山中の一兵衛という人は、この殺された人たちの霊を慰さめ供養したいと思い、地蔵様をつくることにしました。 一兵衛屋敷でつくられたというこの地蔵様は、重さ百キロ(三十貫)もあり、アク石で作ってあるので刻まれた文字はわからなくなっています。 これをつくった石屋はわかりません。この重い地蔵様を一兵衛が背負いあげたということです。又、台石より下にお経が石にきりつけられいかっている 「注1」ということですが、誰も掘ってみたことはありません。 注1 いかっている = 埋められている 名栗が秩父郡だった頃、郡役所は秩父にありましたので、白岩の新井亀次郎氏(故新井富士吉氏宅の先祖)が秩父からの帰りに峠を通りかかると「亀次郎、気をつけろ」という声を聞いたので山犬や狼に気をつけて、峠をおりて無事家にたどりつきました。 地蔵様の声のお陰で命拾いをしたと新井氏は、地蔵様のためにトタン板で祠をつくり奉納しました。私(山中の竹沢庫太郎氏)は、これを見ていますが、今は風に吹き飛ばされたのかなくなっています。 竹沢庫太郎氏談 |
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